お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
「やっぱりそうか。こんなところで会うなんて奇遇だな。俺たち、意外と運命の星のもとに生まれついているのかもしれないぞ?」
相変わらずの一樹だ。
「それは思い過ごしだと思います」
「うーん、まぁ、それも一理あるかもな。俺、思い込みは激しい方なんだよね」
そう言ってハハッと笑う。修矢は母親似で一樹は父親似だが、笑うとふたりはよく似ている。
「ずいぶんと重そうな荷物じゃないか。ほら、貸しな」
「えっ……」
千花が呆気にとられているうちにベビー用品の入った紙袋を一樹に奪われ、一気に肩が軽くなる。
「大丈夫ですから!」
そうは言ってみるが、一樹は聞き入れる様子はいっさいない。
「このあと帰るんだろう? 近くに車があるから送るよ」
「いえ、私なら平気です」