お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました

「このたびはもったいないお話をいただきまして、誠にありがとうございます」


幸助の言葉に合わせて、美幸と千花は頭を下げた。


「いいえ、こちらこそ私のわがままな提案にお付き合いいただいたこと、本当に感謝いたします。こちらが妻の美弥子(みやこ)です」


智弘に紹介された妻が、「美弥子でございます。本日はありがとうございます」と上品な声で挨拶をしたところで、千花はようやくおずおずと顔を上げた。

千花から一番遠いところに座る智弘は、シルバーグレーの髪の毛をオールバックにしたダンディな男性だ。はっきりとした目鼻立ちをしているが、涙袋がぽってりとしていて穏やかな印象を受ける。

真ん中に座る美弥子は、切れ長の目もとが印象的で凛とした雰囲気がある。アジアンビューティーといった感じだ。おだんごにしてまとめた髪も艶やかで美しい。
ふたりとも幸助や美幸とは同年代だろう。


「千花さんは本当にお綺麗ね」


小首を傾げて美弥子に微笑まれ、「いえっ、本当にそのようなことは……」と返す。美しい笑みには、同性の千花でもドキッとさせられた。

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