お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
息を吐く間もない恋のはじまり
翌日、日曜日の午後。千花がちょうど昼休憩をとっている最中に、東子からSNSのメッセージが届いた。
内容は昨夜話していた結婚式場のこと。知り合いのプランナーに教えてもらうと言っていた会場が五つ、URL付きで書かれていた。
さすがは東子。仕事が早い。
『どうもありがとう』と東子に返信して、千花はさっそく目を通していく。
それらはどれも都内近郊にある神社で、近くのホテルなどで行う披露宴とセットにして式を挙げることが可能なものだった。URLをたどって神社の案内を見てみると、どれも甲乙つけがたいほど素敵だ。
結婚自体は不安なくせに、式そのものに関しては憧れが先行して千花はうきうきしてくる。
(どこがいいかな。迷っちゃう……)
その場所に白無垢姿で立つ自分を想像して、千花は心が弾んだ。
悩みに悩んだ千花は、改めてメッセージを読み返して、プランナーおすすめの神社が書かれていることにふと気づく。
表参道にある『友坂神社』。プランナー自身も神前で挙げるなら、そこがいいと思っているとのこと。結婚式のプロが言うのだから、きっと最高の会場なのだろう。
千花は休憩時間が終わるぎりぎりのタイミングで、その神社で挙げることを決断したのだった。