お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました

よくそんな簡単に切り替えができるものだと、千花は逆に感心してしまう。


「疲れているみたいですけど大丈夫ですか?」
「ああ」


そう言いながら、修矢が眉間を揉むように指先でつまむ。

(やっぱり疲れているみたい。希望を伝えて早く帰してあげよう)

千花は膝の上に軽く手を揃えた。


「式は、神前にしようかなと思っています」
「神前?」


意外に思ったのか、修矢は目をほんの少しだけ丸くして聞き返した。東子のように、チャペルを予想していたのかもしれない。


「はい。白無垢を着て神前で挙げたいです。場所は表参道の友坂神社がいいかなって。近くのホテルなどで披露宴も挙げられるそうですので問題はないかと思います。それから、友人の知り合いにプランナーがいるので、その方に相談に乗っていただくようにしたいと思っていますが、どうでしょうか?」


なるべく早く帰してあげたい思いから、千花が早口でそこまで一気に言う。とりあえず、式に関する希望は伝えられた。

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