お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました

「わかった。そうしよう」
「……えっ?」


あっさり決まってしまい千花の気が抜ける。なにか聞きたいこととか、確認したいことはないのか。仮にも自分の結婚式だというのに。
否定されたわけではないものの、反応の薄さに肩すかしを食らった感覚だ。


「いいんですか?」
「いいも悪いもない。千花の希望通りにする」
「でも、どんなところか気にならないんですか?」


千花はネットで検索した友坂神社のウエディング事例を見せる気満々でいたのだ。千花ひとりではなく、修矢にもきちんと見てもらいたい。仮にも新郎なのだから。


「例えばですね、ちょっとこれを見てください」


近くに置いていたスマホを手に取り、千花がブクマしたページを開く。お尻をずらして、ひとり分空いていた修矢との距離を縮めた。


「この参進の儀というのが、とっても素敵なんです」


友坂神社の美しい境内をゆっくりと進む花嫁行列。

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