お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
斎主や巫女に先導されている写真は、なんとも神聖で荘厳だ。灯篭が灯る幻想的な夕刻の式も捨てがたいが、十一月なら青空の下というのも清々しいだろう。
「披露宴は近くにある、このホテルはどうでしょうか。車で五分と移動にも便利ですし、お料理の評判もとてもいいんです。それから……」
そこまで話したところで顔を上げた千花は、修矢があまりにも近くにいたことに気づきドキッとさせられた。一緒にスマホを覗き込んでいたのだから、近くて当然だ。
「それから?」
なにを言おうとしたのか、千花は忘れてしまった。
「あ、えっと……」
誤魔化しながら、そろりそろりとお尻を横に移動させる。盗み見た修矢の目にわずかに笑みが滲んだような気がして、決まりが悪い。
きっと、なにを焦っているんだよとでも思われたのだろう。
「以上です。それだけです。すみません、長々と」