お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
そんなことをまた聞くのかと、顔の筋肉だけで反撃されてしまった。
「決めたら即実行、まどろっこしいのは嫌い、なんですよね。でも……」
結婚を急ぐ理由がほかにあるのではないか。いくらなんでも性急すぎる。
「俺が千花と早く結婚したい。それで十分じゃないか」
最初から用意されていたかのように、迷いのいっさいない言葉だった。
単刀直入に言われて千花は反論ができなくなる。ただ、それが本心だと千花はとても思えなかった。
なにしろ出会って今日で二日目。たったそれだけで千花と早く結婚したいと思うだろうか。
千花の質問は新たな疑問を生むことになり、ますます迷宮に入り込む。でも、もう一度尋ねたところで千花の納得する理由が聞けるとも思えなかった。
「もしも明日は無理だとプランナーさんに言われたら」
「そのときは最速の日時で。明日が大丈夫なら、午後は予約の患者が午後二時で終わりだから、その後なら何時でも構わない。千花は店を抜けられそうか?」
「多分大丈夫だと思います」