お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
夕方の時間は少し心配ではあるけれど、昼のピークが過ぎれば平気だろう。そう答えて、修矢を見送った。
帰り際に美幸が「夕飯がまだだったら、ぜひご一緒に」と誘ってみたが、修矢から丁寧に断られてしまった。
代わりにタッパーにキーマカレーを詰めて持ち帰ってもらったが、なんせ生活レベルが違うと思われる医者の家庭。千花は修矢の口に合うか不安で仕方がなかった。
修矢が帰ったあとの食卓は、修矢や結婚の話題で持ち切り。やっぱり素敵だ、いい青年だ、から始まり、〝お父様〟〝お母様〟と呼ばれる近い将来を妄想したかと思えば、今度は孫の誕生にまで飛躍する。
千花にはまったく想像もつかなくて、苦笑いをするしかなかった。