お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました

残念そうに肩を落とす千花を気の毒に思ったか、美咲が問い合わせようと提案する。


「ですが、人気ならきっとダメですよね……」
「いや、確認してもらおう。聞いてみなければわからない」


無理だと決めつける千花を修矢が諌める。


「すみません、私が余計なことを申し上げたばかりに。ちょっと聞いてみましょう。もしかしたらということもあります」


美咲はすぐにスマホをタップして、友坂神社に確認をし始めた。保留にされているのか、美咲は〝ちょっと待ってくださいね〟と、修矢と千花ににこやかに目で合図を送る。

そこが無理ならば、ほかにいくつか候補としてあげてもらった神社でもいいかもしれないと、千花は早くも考え始めていた。どこもそれほど大差はなく、友坂神社は千花のインスピレーションが反応しただけのことだから。

答えを待っている間に千花はバッグからスマホを取り出し、美咲があげてくれたほかの神社をチェック。

(……ここもいいんじゃないかな。庭に池はないみたいだけど、木々に囲まれた参道が神秘的)

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