お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
(修矢さんが気に入る、気に入らないじゃなく、それを着けるのは私なんだけど……。もしかして、私のためにそう言ってるの?)
ひょっとしたら修矢は、ものすごく不器用な人なのではないか。ぶっきらぼうなのも俺様な態度を取るのも照れ隠しのようなものなのでは。ふとそんなことを千花は思った。
「でも、私にはもったいないです」
千花が気に入ったのは確かだが、高価すぎて使えない。
「それを決めるのは千花じゃない。遠慮は無用だ」
いつものように強い視線でやり込められ、千花は「はい」と頷くよりほかになかった。