お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
「……ごめんなさいっ、ありがとうございます」
そう言って見上げたすぐそばには修矢の顔があり、さらに大きく胸が弾む。慌てて身体を立て直して、千花はもう一度ペコリと頭を下げた。
「転ばれたら堪らない。手、繋ぐぞ」
ぶっきらぼうに言った修矢は、千花の手を強引に取って歩き出した。なんとなくくすぐったい想いが千花の胸に溢れる。
そして力強く握られた手は、コインパーキングに止められた車までしっかりと結ばれていた。