自己流恋愛組曲
track 2.
「あの、安西君・・・あたし、」
中学生の時だった。
見知らぬ女子に呼び出しを受けた俺は
ベタだけど、屋上に来ていた。
「あたし、」
これは、何だろう。
眠たい頭を無理やり起こそうと頑張りながら
けど俺はぼーっとして聞いていた。
目の前にいる女子は
名前は知らないけど背も小さくて可愛い。
色素が薄めの長い髪が風でゆらゆら揺れていた。
「・・・・」
「・・・」
「・・・あの、聞いてました?」
「え?」
しまったぼーっとしてた。
気づくと目の前の女子は顔を真っ赤にさせて
少し大きな目を潤ませていた。
何だ。
なんだなんだ。
「だから、あの、あたし
安西君のこと好きですっ・・!」
眠たかった意識が屋上に戻ってきた。