自己流恋愛組曲
track 2.
「香奈!」「あきら、」
あの笑顔は、中学生になっても変わらなかった。
中学2年生になっても、その笑顔の鮮やかさは変わることなく、
むしろすでに年頃の男の子とは思えないくらいに
あきらは優しかった。
「どうしたの?」
「ん、今日部活早く終わるからさ、一緒に帰んない?」
あきらは中学校に入学してから野球部に入った。
引っ越してくる前から野球をやってたらしくて、
部活の話になると、もとから綺麗だった笑い顔は
もっともっと輝いて、
何もない私にはすごく眩しかった。