自己流恋愛組曲
「・・・・そっか」
カオルは静かに聞いていた。
そして聞き終わると、頑張ったね、
と私の頭を撫でた。
「香奈!!」
「あれ、隆弘??今日は来るの早いんだね」
朝いつものように学校に来ると、
野球部のユニフォーム姿の隆弘が駆けてきた。
「おう、・・・てかいつもは朝練だからさ」
「そっか、頑張ってね」
「ん、・・・・じゃねえよ。・・・・これ・・・」
「・・・・これ、」
隆弘が渡してきたのは、可愛い花の髪ゴムだった。
「や、昨日家族で出かけたらさ、
これがあって、
・・・似合うかもって思ったんだけど」
「・・・」
「・・・いらねえんなら返せよ??」
「いるっ!!ありがと!!」
すごく、すごく嬉しかった。
隆弘の照れたような顔が見えた。
私、今幸せなんだ。