空の下にいるときに。
第1章

再会

「いってきまー!」

「はーい」

お母さんの声を確認して、

玄関を出てわたしは大きく息を吸った。


うん、もうすっかり春の香りだ。


鼻に付くような甘い匂いを嗅ぎながら、わたし自転車を漕ぐ。

ものの20分で着いたのは小さな公園。

わたしのお気に入りの公園だ。

ここは、小さい頃幼馴染とよく来た

思い出の公園。

その幼馴染は10年前引っ越しちゃったんだけど、

青い空を行き交う白い雲を眺めながら

わたしは呟いた。

「元気かなー?」
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