年下御曹司の、甘い提案が聞きたくて。
もしかして別れ話?と思いつつも付いて行くしかない。
店に入った私達はカフェオレとブラックコーヒーを注文し、壁際の隅っこにあるテーブル席へと着席した。
椅子に座るなり輝はコーヒーに口を付け、ゴクゴクと立て続けに飲んでコップを置く。
その表情は固くて、何を言い出す気だろうか…と戸惑った。
「……俺、今まで言ってこなかったけど」
ぐっと紙コップを握った輝が話し始める。その口元がぎゅっと噛み締められるのを見つめ、私もぐっと奥歯を噛んだ。
「……実は俺の両親、結婚してないんだ」
諦めたように呟く輝に目を向け、「え?」と声を発した。
「俺の父親は俺のことを一応認知はしてる。だけど、同一の戸籍に入ったことはないし、だから俺は、世間で言うところの『婚外子』という立場になるんだ」
そう言い切ると再びコーヒーを飲み干す輝。
空になったコップを置くとぎゅっと握り締め、はぁ…っと短い息を吐き出した。
「父親の名前は『都築光太郎』。俺が前に勤めていた、都築商事の代表取締役社長だ」
呆れた声で伝えた輝は、眉間に皺を寄せる。
店に入った私達はカフェオレとブラックコーヒーを注文し、壁際の隅っこにあるテーブル席へと着席した。
椅子に座るなり輝はコーヒーに口を付け、ゴクゴクと立て続けに飲んでコップを置く。
その表情は固くて、何を言い出す気だろうか…と戸惑った。
「……俺、今まで言ってこなかったけど」
ぐっと紙コップを握った輝が話し始める。その口元がぎゅっと噛み締められるのを見つめ、私もぐっと奥歯を噛んだ。
「……実は俺の両親、結婚してないんだ」
諦めたように呟く輝に目を向け、「え?」と声を発した。
「俺の父親は俺のことを一応認知はしてる。だけど、同一の戸籍に入ったことはないし、だから俺は、世間で言うところの『婚外子』という立場になるんだ」
そう言い切ると再びコーヒーを飲み干す輝。
空になったコップを置くとぎゅっと握り締め、はぁ…っと短い息を吐き出した。
「父親の名前は『都築光太郎』。俺が前に勤めていた、都築商事の代表取締役社長だ」
呆れた声で伝えた輝は、眉間に皺を寄せる。