年下御曹司の、甘い提案が聞きたくて。
それは本気で言ったのか?
家を売却することがいい仕切り直しになる、と本当にそう思ってるのか?
(それを俺が止めたところで聞いてくれるのか?)
あんな思い詰めたような顔で別れを告げた望美が、俺が頼んだくらいで首を縦に振るのか?
苦しそうな表情で「バイバイ」と言った彼女の気持ちが、ころりと変わったりするのか?
(俺は……どうすればいいんだ……)
急な展開に頭がグラつく。
仕事ではどんな窮地に立っても冷静でいられるのに、望美のこととなると腑抜けてしまう。
「とにかく望美に連絡を…」
急いで電話をかけるが、お客様の希望でお繋ぎ出来ません…とメッセージが流れてしまう。話をしたい…と文字は送ったものの、やはり既読は付かない__。
(望美……)
こんな急に別れが迫ってくるとは思わなかった。
突然心細くなったような気がして、力無く椅子から立ち上がる。
家に行く方が早いとは思う。だが、この三年余りのことを考えると流石に少し躊躇いもある。
(親に会っても、今の俺には何も言えないんじゃないか)
家を売却することがいい仕切り直しになる、と本当にそう思ってるのか?
(それを俺が止めたところで聞いてくれるのか?)
あんな思い詰めたような顔で別れを告げた望美が、俺が頼んだくらいで首を縦に振るのか?
苦しそうな表情で「バイバイ」と言った彼女の気持ちが、ころりと変わったりするのか?
(俺は……どうすればいいんだ……)
急な展開に頭がグラつく。
仕事ではどんな窮地に立っても冷静でいられるのに、望美のこととなると腑抜けてしまう。
「とにかく望美に連絡を…」
急いで電話をかけるが、お客様の希望でお繋ぎ出来ません…とメッセージが流れてしまう。話をしたい…と文字は送ったものの、やはり既読は付かない__。
(望美……)
こんな急に別れが迫ってくるとは思わなかった。
突然心細くなったような気がして、力無く椅子から立ち上がる。
家に行く方が早いとは思う。だが、この三年余りのことを考えると流石に少し躊躇いもある。
(親に会っても、今の俺には何も言えないんじゃないか)