年下御曹司の、甘い提案が聞きたくて。
日曜の午後になり、俺はようやく奴の居場所を突き止めた。
あいつが女との逢い引きに使っているホテルに押し掛けて行くと、不敵な笑みを浮かべて俺を迎え入れた。
「……なんだ。こんな所へ押し掛けてきて」
スイートの一室で俺と対峙した男は、バスローブ一枚の姿だった。
俺はそんなあいつの格好を見下しながら手を握りしめ、土井家との縁談を断るように…と再度訴えた。
「俺には結婚したい女性がいるんだ。あの人とは一緒にならない」
苦々しく言いだすと、あいつは唇の端を上げ__。
「…でも、その相手とは別れたんじゃないのか?」
「えっ」
「秘書の神田川がそう言ってきたぞ」
タバコに火を点けるあいつを見つめ、一瞬呆然としてしまったが。
「…まさか、お前…望美に何かを……」
言ったのか…と口にする前に、奴は俺を見返すと微笑み、「なかなか物分かりのいいお嬢さんだった」と付け加えてくる。
「俺の援助も断ってくるんだもんな。大した気の強さだ」
苦笑して煙を吐き出し、俺を見直すとこう続けた。
あいつが女との逢い引きに使っているホテルに押し掛けて行くと、不敵な笑みを浮かべて俺を迎え入れた。
「……なんだ。こんな所へ押し掛けてきて」
スイートの一室で俺と対峙した男は、バスローブ一枚の姿だった。
俺はそんなあいつの格好を見下しながら手を握りしめ、土井家との縁談を断るように…と再度訴えた。
「俺には結婚したい女性がいるんだ。あの人とは一緒にならない」
苦々しく言いだすと、あいつは唇の端を上げ__。
「…でも、その相手とは別れたんじゃないのか?」
「えっ」
「秘書の神田川がそう言ってきたぞ」
タバコに火を点けるあいつを見つめ、一瞬呆然としてしまったが。
「…まさか、お前…望美に何かを……」
言ったのか…と口にする前に、奴は俺を見返すと微笑み、「なかなか物分かりのいいお嬢さんだった」と付け加えてくる。
「俺の援助も断ってくるんだもんな。大した気の強さだ」
苦笑して煙を吐き出し、俺を見直すとこう続けた。