年下御曹司の、甘い提案が聞きたくて。
ホテルの前で呼び止めてきた相手と話し合った後、俺は家に帰り、母にあの男の言ったことは本当なのかと訊ねた。
母は最初のうちは唇を閉ざしていたが、しつこく訊き返す俺に根負けし、仕様がなさそうに話しだした。
「……そうよ。そうすれば、あの人との縁がこれからも続くと思ったの」
俺が土井家との婚姻を結べば、都築とは何かとご縁が生まれる。そうすれば、母は自分の立場も今よりかは変わると思い、俺をあの男の元へと差し出した…と述べた。
「輝はあの人の子供なんだもの。いい地位に付けてと願っても別に構わないでしょ」
「でも、結局は自分の為だろ」
「違うわ!」
必死な顔つきで俺の言葉を否定する母。けれど、俺は胸の底から憤りを感じて、母の言葉も拒絶したい様な気分だった。
「私は輝をあの人の子供として、ちゃんとした地位に付けてあげたかったのよ。ずっと外の子供として見られて肩身の狭い思いをしてきた貴方に、少しでもいいから良い目を見せてあげたかったの!」
母は最初のうちは唇を閉ざしていたが、しつこく訊き返す俺に根負けし、仕様がなさそうに話しだした。
「……そうよ。そうすれば、あの人との縁がこれからも続くと思ったの」
俺が土井家との婚姻を結べば、都築とは何かとご縁が生まれる。そうすれば、母は自分の立場も今よりかは変わると思い、俺をあの男の元へと差し出した…と述べた。
「輝はあの人の子供なんだもの。いい地位に付けてと願っても別に構わないでしょ」
「でも、結局は自分の為だろ」
「違うわ!」
必死な顔つきで俺の言葉を否定する母。けれど、俺は胸の底から憤りを感じて、母の言葉も拒絶したい様な気分だった。
「私は輝をあの人の子供として、ちゃんとした地位に付けてあげたかったのよ。ずっと外の子供として見られて肩身の狭い思いをしてきた貴方に、少しでもいいから良い目を見せてあげたかったの!」