年下御曹司の、甘い提案が聞きたくて。
「なあに?どうしたの?」
電話に出てみると、郁は「間違えた!」と声を発した。
「悪りぃ。彼女に掛けたつもりだった」
「えっ?何よそれ」
フツー彼女と間違える!?と呆れたが、郁は悪びれもせずに、いいだろ…と言い返してくる。
「それよりも姉ちゃんの仕事の邪魔して悪かったよ」
「いいわよ別に」
仕事してないし…と胸の中で思っていると、タイミング悪く館内放送が流れだした。
タワー内で行われるイベントの開始時間の案内で、それを耳聡く聞いた郁が……
「なんだよ。今の」
ひょっとして外でサボってんのか?と訊ねられ、苦し紛れに「たまたまそういう気分になっただけ」と反論。
「へぇー、姉ちゃんでもそういうことがあるんだ」
まっ、いんじゃねーの?と軽く受け流す弟に、妙なところを見つけられてしまった…と反省した。
「ところで何処でサボってんだよ」
「て…展望タワーの上」
「朝っぱらからそんな所に上ってんのか?物好きだな」
「煩いわね!ほっといてよ!」
ついつい姉弟ゲンカを始めそうになり、もう切るから!と耳元からスマホを遠ざけようとした。
電話に出てみると、郁は「間違えた!」と声を発した。
「悪りぃ。彼女に掛けたつもりだった」
「えっ?何よそれ」
フツー彼女と間違える!?と呆れたが、郁は悪びれもせずに、いいだろ…と言い返してくる。
「それよりも姉ちゃんの仕事の邪魔して悪かったよ」
「いいわよ別に」
仕事してないし…と胸の中で思っていると、タイミング悪く館内放送が流れだした。
タワー内で行われるイベントの開始時間の案内で、それを耳聡く聞いた郁が……
「なんだよ。今の」
ひょっとして外でサボってんのか?と訊ねられ、苦し紛れに「たまたまそういう気分になっただけ」と反論。
「へぇー、姉ちゃんでもそういうことがあるんだ」
まっ、いんじゃねーの?と軽く受け流す弟に、妙なところを見つけられてしまった…と反省した。
「ところで何処でサボってんだよ」
「て…展望タワーの上」
「朝っぱらからそんな所に上ってんのか?物好きだな」
「煩いわね!ほっといてよ!」
ついつい姉弟ゲンカを始めそうになり、もう切るから!と耳元からスマホを遠ざけようとした。