年下御曹司の、甘い提案が聞きたくて。
別れると決めたのに…と言い切る前に、輝の唇が開いた。


「家のことなら、聞いたよ」


ビクッとしてしまう。
輝は私の頭をすっぽり抱え込むようにして、「ごめん」と謝った。


「…全部、俺が悪かった」


そう囁くと上から視線を注ぐ。
見上げると輝は苦しそうな表情でいて、私はそれを見つめて思わず言葉を失った__。



< 139 / 194 >

この作品をシェア

pagetop