年下御曹司の、甘い提案が聞きたくて。
手離せない存在と記念日の理由
(普通に考えたら、今のこの状況は、とってもハッピーな気分になれる筈なんだろうけど……)
パタンと音を立てて閉まったドアを振り返る私。
その前には輝が立っていて、カードキーを壁のポケットに差し込もうとしている。
差し込んだ彼が振り向いて微笑む。
その手がすっと伸びてきて頬に触れ、ゆっくりと顔を近づけてきた__。
「………望美?」
私は腕を伸ばして体を離し、するりと反転させて部屋の中に進みだす。
間接照明がぼんやり光る室内に目を配るとハ…と短い息を吐き出し、壁際に立て掛けられてあるシルバーのスーツケースを見遣った。
私達は今、ホテルのダイニングレストランでディナーを済ませ、輝が泊まっている部屋へと戻ってきたところだ。
これからゆっくりと二人だけの時間を楽しみ、愛を語り合う筈だったんだけれど……。
「ねえ…どうしてなの?」
私は堪えきれずに疑問を吐き出す。
振り返ると輝が困惑した表情でいて、胸の奥がズン…と重くなってきてしまう。
「どうして家を出たの?」
質問すると唇を閉ざす輝。
でも、私は更に疑問をぶつけた。
「私…納得がいかない」
パタンと音を立てて閉まったドアを振り返る私。
その前には輝が立っていて、カードキーを壁のポケットに差し込もうとしている。
差し込んだ彼が振り向いて微笑む。
その手がすっと伸びてきて頬に触れ、ゆっくりと顔を近づけてきた__。
「………望美?」
私は腕を伸ばして体を離し、するりと反転させて部屋の中に進みだす。
間接照明がぼんやり光る室内に目を配るとハ…と短い息を吐き出し、壁際に立て掛けられてあるシルバーのスーツケースを見遣った。
私達は今、ホテルのダイニングレストランでディナーを済ませ、輝が泊まっている部屋へと戻ってきたところだ。
これからゆっくりと二人だけの時間を楽しみ、愛を語り合う筈だったんだけれど……。
「ねえ…どうしてなの?」
私は堪えきれずに疑問を吐き出す。
振り返ると輝が困惑した表情でいて、胸の奥がズン…と重くなってきてしまう。
「どうして家を出たの?」
質問すると唇を閉ざす輝。
でも、私は更に疑問をぶつけた。
「私…納得がいかない」