年下御曹司の、甘い提案が聞きたくて。
「……俺は、母さんを見捨てたんじゃない。望美を…選んだだけだ」
私の方に目を向けると、輝は噤んでいた唇を開いてそう言った。
私は彼を見つめたまま無言に変わり、それが家を出ることになるのか…と困惑する。
輝はスーツの上着を脱ぐとベッドサイドの椅子に放り投げ、首元に指を引っ掛けてネクタイを緩めるとそれも外し、ふぅっと大きな息を吐き出してから、もう一度私の方へと視線を向けた。
「見合いの黒幕が母だったと言っただろ。あの人は、自分があいつとの縁を切りたくないものだから俺という最終手段を使って、自分との距離を近づけておこうと考えたんだ。
口先では俺の為だとか言ってても所詮は俺を道具として扱っただけ。そんなの、見過ごせる筈ないじゃないか」
もう堪忍袋の緒が切れたんだ…と話す輝の目は真剣に怒っているみたいだ。
私はそれを見てると辛いものを感じて、でもやっぱり何かが違うとしか思えず、目線を彼に向けて押し黙った……。
「そしたら逆に聞くよ。望美は、俺があの見合いの話を受けた方がいいとでも思ってるのか?」
私の方に目を向けると、輝は噤んでいた唇を開いてそう言った。
私は彼を見つめたまま無言に変わり、それが家を出ることになるのか…と困惑する。
輝はスーツの上着を脱ぐとベッドサイドの椅子に放り投げ、首元に指を引っ掛けてネクタイを緩めるとそれも外し、ふぅっと大きな息を吐き出してから、もう一度私の方へと視線を向けた。
「見合いの黒幕が母だったと言っただろ。あの人は、自分があいつとの縁を切りたくないものだから俺という最終手段を使って、自分との距離を近づけておこうと考えたんだ。
口先では俺の為だとか言ってても所詮は俺を道具として扱っただけ。そんなの、見過ごせる筈ないじゃないか」
もう堪忍袋の緒が切れたんだ…と話す輝の目は真剣に怒っているみたいだ。
私はそれを見てると辛いものを感じて、でもやっぱり何かが違うとしか思えず、目線を彼に向けて押し黙った……。
「そしたら逆に聞くよ。望美は、俺があの見合いの話を受けた方がいいとでも思ってるのか?」