年下御曹司の、甘い提案が聞きたくて。
「ごめん、傷になってる」


鎖骨を指で撫でながら輝が謝る。
でも、その唇は背中から頸を上り、私はゾクゾクしながら身を捩らせた。


「言葉と行動が伴ってないよ…」


漏れそうな声を堪えて言うと、輝は、そうだなと言いながらも止める様子もなく__。


「輝……だめっ…」


声が出そう…と言うと唇を塞がれる。
舌の絡む音と水音とが反響して、返っていやらしさが増すみたいだ。


「あ…ん…っ…」


そのままそこで二度目を済ませてしまい、私は流石にお湯に逆上せてベッドに横たわった。



「…大丈夫か?」


輝は扇ぎながら私を心配する。
それに「まあ」と力無く返事をしながら、吸い付いてくる彼の唇を受け止めた。


「久し振りで嬉しくってさ」


休みに入っても、お互い何かと家の用事があり会えなかった。
だから、朝駅で会った瞬間から、早く抱き付きたかったのは事実だけれど。


「私…」


正直ここまで求められるとは思ってもいなかった。
考えてみればクリスマスも何も無く、プレゼントを交換したままで終わっていたんだ。


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