年下御曹司の、甘い提案が聞きたくて。
照れながら、本当にこんな素敵な人と自分が付き合っているのがまだ信じられない。
かれこれ、その付き合いも三年目を越して、四年目を迎えたのも奇跡みたいな感じだ。


「今日は何処へ行こうか」


クリスマスイブだし街の中を練り歩くのもいいな…と彼が言う。私はその声に耳を傾けながら夜の予定を思い出し、一人静かに胸を弾ませていた。



(今夜こそはきっと…)


これまでとは違うプレゼントが用意されている筈。
私はそれを期待しながらココアを飲み干し、彼と二人で街中を散歩しながら、ディナーの時間まで楽しんだ。




「はい、プレゼント」


ディナーのテーブルに着くと、白い封筒を手渡される。
私はそれ受け取りながら今年も違う…と思い、だけど、ションボリする訳にもいかず微笑んだ。


「ありがとう。今年は何処かな」


毎年お正月休みの旅行をプレゼントしてくれる輝。
今年も同じ旅行会社の封筒を開け、中のチケットを確認する。


「えっ、熱海!?」


意外にも国内。
これはこれまでのプレゼントでは初だ。


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