年下御曹司の、甘い提案が聞きたくて。
輝自身もその配属の意味を理解していて、だからこそ懸命に仕事をこなしていたのではないのか__。


そう思うと、頭の中が強張る。
輝はその地位を捨てて、どうして北芝電機なんかに再就職したんだろう……。


考え出すと気がそぞろになってきてしまう。
輝が私を求めている最中なのに、それ以外のことに神経を注ぐのは止めないと。


「輝…」


名前を呼ぶと唇に吸い付いてくる彼。
その熱い舌を受け止めながら絡み合わせ、頭をぎゅっと抱き締めた。


「好き…」


言葉にするのも苦しいくらいに輝が好き。
私以外の誰にも触れないで欲しいと願いながら、彼と体を密着し続け、そのまま夜遅くまで愛し合った___。


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