年下御曹司の、甘い提案が聞きたくて。
「ありがとうございます。でも、何でもないから大丈夫です」
ただのお正月ボケですよ、と笑ってごまかした。
今井さんは、そうお?と訝しそうに見ていたけれど、別に深入りもしないで済ませてくれた。
営業一課は年始から大変そうだ…と耳に入ってきたのは午後になってから。
海外の部品メーカーの一社が撤退しそうだ…との情報が入り、バタバタとしているらしい…という噂を耳にした。
「本当なのか?年末にも相手方へ行って、来年度の契約を確認したばかりだと聞いてるぞ」
「それなのに撤退?そんな事があるのか?」
『年末』という言葉に手が止まる。
話し合っている男性達の方に目を向けてみると、課長が「余計な事を言うな」と注意した。
「そんなに簡単に撤退なんて出来ないさ。契約段階では違約金も発生するようになっているし、一課の課長も今、交渉役と一緒に飛び立ったから大丈夫だ」
そう言うのを聞いて、輝はまた国外へ行ったのか…と初めて知る。
(そうか、それで朝から目紛しく働いてて会えなかったんだ)
ただのお正月ボケですよ、と笑ってごまかした。
今井さんは、そうお?と訝しそうに見ていたけれど、別に深入りもしないで済ませてくれた。
営業一課は年始から大変そうだ…と耳に入ってきたのは午後になってから。
海外の部品メーカーの一社が撤退しそうだ…との情報が入り、バタバタとしているらしい…という噂を耳にした。
「本当なのか?年末にも相手方へ行って、来年度の契約を確認したばかりだと聞いてるぞ」
「それなのに撤退?そんな事があるのか?」
『年末』という言葉に手が止まる。
話し合っている男性達の方に目を向けてみると、課長が「余計な事を言うな」と注意した。
「そんなに簡単に撤退なんて出来ないさ。契約段階では違約金も発生するようになっているし、一課の課長も今、交渉役と一緒に飛び立ったから大丈夫だ」
そう言うのを聞いて、輝はまた国外へ行ったのか…と初めて知る。
(そうか、それで朝から目紛しく働いてて会えなかったんだ)