ただの高校生の秘め事なんて
脳内お花畑のまま、学活を迎えたので、
友達全然作れてない…

当然、去年何組だった〜?
なんて他愛のない話もしていないし、
隣の席の人の名前も顔も知らない。

担任の先生が来てしまったので、
話しかけるわけにもいかない。


ああ…例年通りのパターンだ…
これで怖い人だと思われて3月ごろに、
ああ、紗矢香ちゃんって面白い人だったんだね!って言われるやつだ…
あーあ……



「ぇ…ねえ!湊さん!呼ばれてるよ?」
前の席の女の子の声で
我に帰った時には遅かった。周りを見回すと、
みんなの顔がこっちを向いていた。
やっちゃった…
「な、何ですか…?」



一瞬の沈黙。


気づくとみんな笑い転げていた。
教卓の方を見ると、
担任の赤坂先生も笑っていた。
「湊さん、どこまで聞いてた??」


いや…何も聞いてませんでした…
< 5 / 28 >

この作品をシェア

pagetop