3月生まれの恋人〜romantic? holiday〜
romantic ? holiday
唖然とする勢いで、用意した料理を空にした柊は
食後、ソファーへと場所を移し、ごろりとその場に横になった
『本気で死にかけてた。
ありがとう、飯!
めちゃくちゃ旨かった』
もう、買いに行く気力はないわ
冷蔵庫には牛乳と味噌しかないわ・・・
諦めて寝ようと思ってた・・・
柊は、寝転んで目を伏せたままそう言うと
ふうっと一つ大きく息をついた。
『じゃあ、拓海くんと動物園に行ってたの?』
全く予想外の柊の休日
彼は、ため息とともに一連の出来事をあたしに話すと
ソファーにあったクッションにどさりと頭を埋めた
『泉はとにかく強烈な奴なんだ・・・
毎週のように拓海を押し付けに来やがるし・・・
あげく、蹴るわ殴るわ!』
苦虫を噛み潰すような渋い表情で
柊は、その端正に整った眉をひそめる
あたしの目から見る拓海くんのママは
それはそれは美人さんで、素敵なママなんだけど・・・?
そんなあたしの言葉に
柊は、目を丸くして
『それは世を忍ぶ仮の姿って奴だ
本性、極悪だし!』
すごく大真面目にそう言い切り、また深くため息をついた