さよなら、大好きな人
「これ、住所聞いてあげたから行ってみたら?」
詩織から渡された紙には
アパートの住所と学校の住所が書かれていて
「行ってみるか」
栄養学なんて
なんで学びてぇんだよ
俺の隣で心愛が笑ってくれればそれだけでよかったはずなのに
「こんなところにあったんだな」
俺の行っている大学のすぐそばに
こんな学校があったなんて気づかなかった
「あれ?かっこいい人がいる」
「ここの学校の生徒じゃないですよね」
「あぁ」
「誰か待ってるんですか?」
「”小川心愛”」
「ここちゃんの知り合いですか?」
知り合い・・・ねぇ
「まぁ。今いる?」
「いたよね?ここちゃん」
いるのか
「呼んでもらえると助かる」