3秒後、きみと恋がはじまる。



「うーん、どうしたらいいんだろう…。
有村くん、夏休みも桃に会ってくれるとは思えないし」

「だよねぇ!」

「だからと言って桃が塾に通うわけにも行かないよね…。あの2人が行く塾は桃にはレベルが合わないよ」

「そうなの…」



うーん、と3人で頭をひねる。
こんなに私のことで悩んでくれるなんて、いい友達を持ったなぁと思う。



「…夏休みにデート、してくれないか頼んでみる」

「そうだね!当たって砕けろだよ!」


ちょっと励まし方を間違っているユリに、「砕けちゃだめだよ!」と突っ込むスミレ。

そんな2人に「行ってくる!」と宣言して、ガタンと立ち上がり茜くんのところへ向かった。




正直、「デートしてください」なんて言って茜くんが頷いてくれるなんて思えないけれど。

「嫌だ」って言われるのが目に見えているけれど。



それでも言ってみるくらい言ってみてもいいよね!


だってこのままじゃ、1ヶ月以上、茜くんに会えないんだもん。



< 106 / 265 >

この作品をシェア

pagetop