3秒後、きみと恋がはじまる。
「茜くん!」
昼休みの茜くんのクラス。
人はたくさんいるけれど、毎回茜くんを訪ねてくる私にみんなも慣れたみたいで。
最初の方は注目されてしまっていたけれど今は特に見られることもなくなった。
当の茜くんは、「またか」という顔でちらりと私を見る。そういう冷たいところも、好き。
「あのね、夏休み、一緒に遊びませんか!」
「面倒」
スパッと一刀両断されて、うっ、と怯むけれど、このまま退散するわけには行かない!
「お願い、一回だけでいいから!」
「…」
「茜くんの好きなところでいいので!」
「お前と行きたいところはない」
「うっ…」
手強いよ〜!私のメンタルが限界だよ〜!
泣きそうになっていると、気の毒に思ったのか、要くんが口を挟んでくれた。
「まあまあ、1回くらいいいんじゃない?
三好ちゃんが可哀想だよ」
要くんの言葉に、茜くんはため息をついて眉をひそめた。