3秒後、きみと恋がはじまる。
「…球技大会、何出るの?」
突然球技大会の話をはじめた茜くんに、首をひねりながら「バドミントンだけど…」と答える。
期末テストも終わって、夏休みを待っている私たちには、1週間後に球技大会がある。
私は中学生の時にバドミントン部だったユリと、ダブルスでバドミントンに出ることになっているんだけど。
「じゃあ、バドミントンで優勝したらいいよ」
「本当!?」
「うん」
横では要くんが「お前…」と呆れた顔をしていたけれど。
バドミントンで優勝したら、茜くんとデートできるんだ!やったー!!
そうとなれば今日からユリに特訓してもらわなきゃ!
「約束だからね!茜くん!」
ウキウキしながら教室に戻って、まだお弁当を食べていたユリとスミレに報告すると。
「…いや、それあしらわれてるだけだよ!」
「茜くんのクラス、バドミントン部のエースが2人もいるんだよ!?優勝なんてできないって!」
慌てる2人に、でも!と続ける。
「でも!勝ったらデートしてくれるんだもん!ユリ、練習付き合って!」
私の勢いに、はぁ、とため息をついてユリは「わかったよ…」と頷いてくれた。