3秒後、きみと恋がはじまる。
「花火大会に行きたいです」
茜くんにそうお願いしたのは、球技大会の次の日でもあり終業式でもある、夏休み前日。
茜くんは「了解」とだけ言って頷いてくれた。
・
「茜くん不足だよ〜…」
それから1週間経って、つまり夏休みも1週間が過ぎて。
今までは1年中夏休みだったらいいのに〜、なんて思っていたけれど、今年の夏休みはもう十分だ。
十分休んだじゃないか。
早く学校に行こうよ。
部屋のクーラーの効きが悪いので、ユリとスミレを誘って涼しいカフェでアイスココアを飲みながら、ため息をついた。
「いつだっけ?有村くんとのデート」
「明日!」
茜くんとのデートの話になった瞬間に目を輝かせる私を見て、ふたりが苦笑いしたのがわかった。
だって楽しみなんだもん…。
「全然脈ないと思ってたけど、意外と有村くんって桃のこと気にしてるのかもね」
「ね、思った!
球技大会の日、ちょっとドキドキしちゃった」
2人がきゃっきゃと盛り上がっているのを聞いて、「本当〜!?」とニヤニヤしてしまう。