3秒後、きみと恋がはじまる。
「浴衣とか着るの?」
「き、着てもいいと思う!?
気合い入れ過ぎて気持ち悪いって思われないかな!?」
「そこで気合い入れないでいつ気合い入れるのよ!」
「気持ち悪いと思われるならもうとっくに思われてるから大丈夫だよ」
励ましてくれているのか、それともバカにしているのか。
よくわからないけれど2人に背中を押されて、そのあと行ったショッピングで可愛い浴衣を買ってしまった。
白地に大きな赤い花の模様が可愛くて、一目惚れしたやつだ。
…茜くん、ちょっとだけでいいから。
ほんのちょっとでいいから、可愛いって思ってくれたらいいなぁ。
「じゃあ、頑張るんだよ!」
「うん、頑張る…!」
「報告よろしくね!」
夜になってふたりと別れて、家に帰って。
緊張で落ち着かなくて、とりあえずマニキュアを塗ってみた。