3秒後、きみと恋がはじまる。
次の日は、珍しく朝早く目が覚めて。
アラームも鳴っていないのに目がさめるなんて珍しくて、お母さんをびっくりさせてしまって。
それでも待ち合わせは夕方だから、することがなくてひたすら『デート うまくいくコツ』を検索していろんな恋愛コラムのサイトを読み漁ったりしていた。
「とりあえず遅刻だけは絶対にダメ!」
そう自分に言い聞かせて、かなり早い時間から、お母さんに手伝ってもらいながら浴衣を着て、それから髪もくるくる巻いてアップにして、メイクして大人っぽい赤いリップを塗って。
「もう支度終わっちゃった…」
まだ待ち合わせしている駅に向かうには早い時間だったけれど、これ以上家にいてもそわそわしてしまうだけなので、気合いを入れて家を出た。