3秒後、きみと恋がはじまる。
「…き、緊張してきた」
待ち合わせしていた、花火大会の会場の最寄り駅に着いた。
私の他にも、浴衣を着たカップルとか、人を待っている女の子とか男の子とか、家族連れとか、いろんな人たちが行き交う駅で。
……茜くん、私のこと見つけられるかな。
まあ、私は人混みの中からでも茜くんを見つけられる自信があるから大丈夫だけど!
そんな自信に満ちていた私も、だんだんと待ち合わせの時間が近づいてくるにつれ、緊張してきて。
あと、5分で6時だ…。
茜くんが来たら、まずなんて言ったらいいんだろう。
「おはよう」なんて時間じゃないし、「こんにちは」っていうのもなんかよそよそしい気がして。
ど、どうしよう!
ていうか、茜くんの私服見るの初めてだ…。
絶対格好いいんだろうなぁ。
私、浴衣変じゃないよね?
お母さんにもチェックしてもらったし、大丈夫だとは思うんだけど…。
……ていうかそもそも、茜くんちゃんと来てくれるかなぁ。