3秒後、きみと恋がはじまる。
「屋台もいっぱい出てるんだね!」
河川敷沿いに並ぶ、いい匂いの屋台を見ながら話しかけると、「そうだな」と返してくれる。
私、屋台の焼きそば大好きなんだよね…。
でも、今日はデートだから!
「こいつすごい食べるじゃん…」とか思われたくないし、それに青のりが歯についたら嫌だし!
今日は焼きそばは食べずに、りんご飴とかわたあめとか、そういう可愛いものを食べるんだ。
「何か食う?」
「うん!茜くんは!?」
「んー…あ、ラムネ飲みたい」
「オッケー!並ぼう!」
茜くん、ラムネ飲むんだ〜!
うん、可愛い!
ラムネの屋台に並んで、瓶に入ったラムネを買う。
お金を払おうとしたら、茜くんが2人分のお金を払ってくれた。
「ええっ…私払うよ」
「別にいいよ、これくらい」
「だ、だって無理言って付き合ってもらってるのに…むしろ私が奢るべきだよね!?」
「バカじゃないの」
ふっ、と笑う茜くんに、きゅんと私の胸が跳ねて。
なんだか今日はよく笑ってくれるなって、幸せになった。