3秒後、きみと恋がはじまる。
「…あ、始まるみたいだよ!」
花火が始まるというアナウンスが聞こえて、夜空を見上げる。
目の前には川があって、ビルの夜景を綺麗に映し出していて。
それから真っ暗な夜空に、音楽とともに花火が打ち上がる。
ドーン、と花火の音が胸に響いて、真っ黒な空に、黄色とか赤とかピンクとか、色とりどりの花が咲く。
「綺麗…」
あまりにも綺麗だから、夢中で花火を見上げて。
「綺麗だな」
って、隣で茜くんが呟いたのが聞こえて、なんだかすごく嬉しくなった。
私、今、大好きな人と綺麗な花火を見ていて。
ずっと憧れていた茜くんが、今日は隣にいて。
それは奇跡みたいな幸せで、思わず頬が緩んだ。