3秒後、きみと恋がはじまる。


「たこ焼きとか食べればよかったじゃん」


「だって……あんまりガツガツ食べてると可愛くないかなって思って」


「はぁ?」


「本当は焼きそばが大好きなんだけど、青のりが歯についたら嫌だな、とか思って…」


「うん、青のりついてる」


「嘘、どこ!?」


「嘘」


「っ……」


「青のりついてたらちゃんと笑ってやるよ」




茜くんの、いたずらっぽい笑顔を。
ちょっとだけ、意地悪な一面を。


新しい茜くんを知るたびに、もっと好きになる。

これも茜くんの魔法なのかなぁ。




「……さっき、アイツらに誘われてたのに、って言ってたけど」


「え?」


「……俺は、お前と来るのも楽しそうだなと思って来たんだよ」




そっぽを向いて、ぶっきらぼうに。

くれた茜くんの言葉が優しく心の奥に落ちて来て、自然と笑顔になった。



「茜くん、大好き!」

「わかったって」


最高の夏休みだよ、茜くん!




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