3秒後、きみと恋がはじまる。
「京都駅って大きいんだね〜!」
茜くんとデートをした日から、もう1ヶ月くらいが経った。
茜くんに会えなくて、長く長く感じた夏休みも終わって、学校が始まってすぐ。
私たちは、京都に修学旅行に来ています。
新幹線から降りた私たちはキョロキョロと辺りを見回しながら、大きくて広い京都駅に降り立った。天井が高い!
私たちの高校は人数が多いので、私たち普通科と茜くんたちの特進科はそれぞれ違う便の新幹線に乗っている。
茜くんたちは先に着いていて、一足先に観光を始めているらしい。
同じ学校とは言っても科が違うと、全然会えないなぁ。
「今日はどこに行くんだっけ?」
京都駅から、駅の近くで待っていた修学旅行用のバスに乗り込んで、隣に座っているユリに尋ねる。
「えーとね、今日は金閣寺と竜安寺だね」
修学旅行のしおりを見ながら答えてくれたユリの言葉に、私は要くんに頼み込んで送ってもらった特進科のコース表を見つめる。
「うーん…入れ違いで金閣寺に来るっぽい…。
すれ違うくらいはできるかなぁ」
いかにして茜くんに会うかを考えている私に、ユリは呆れ顔で「ストーカーだね」とため息をついた。