3秒後、きみと恋がはじまる。



「夜に肝試しやろうよって話してるんだけど、来ない?特進科の女の子繋がりで有村たちも呼んだよ」



郁人くんの最後の一言に、キラリと目を輝かせる私。



「郁人くん、神様!?」
「そー!実は俺、神様なの」


へへん、と得意げにピースをする郁人くんが、本当に神様に見える。ありがとうすぎる…!


「絶対行く、行くよねみんな!」

「いいよ」
「楽しそう!」


みんなの同意も得て、郁人くんは「じゃあ夜ね。先生にバレないように旅館の裏集合で」と言って、ひらひらと手を振って部屋を出て行った。



茜くんと肝試しなんて、嬉しい!
茜くんって、肝試しとか行くタイプだったんだなぁ。




そうして、みんなで集まって夜ご飯を食べて、1クラス30分という短い時間しか与えられていないお風呂にバタバタと入って。




「もう、桃、早く行くよー」

「まって、もう少し!」

「そんなに前髪いじったって何も変わらないって」

「ちょっとだけ可愛くなるかもしれないじゃんー!」



鏡の前でにらめっこしながら、前髪をミリ単位で直している私。

やっと納得のいく形になったので、バタバタとみんなで旅館を出た。




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