3秒後、きみと恋がはじまる。
えーっと私は…5番だ。
茜くんは何番だったんだろう…。
ちらりと男子の方を見るけれど、いつも通りポーカーフェイスな茜くんの表情からは何も読み取れなかった。
「茜、何番だった?」
茜くんのお友達、ナイス!
聞き耳を立てていると。
「5番」
「えっ!?」
思わず声が出てしまって、特進科男子たちの注目を浴びてしまう。
「茜くん、私も……」
5番だよ!と、言おうとした瞬間。
「櫻木くん、ごめん!
私怖いの苦手で、でもみんなと来たかったんだけどやっぱり無理みたいで、ちょっと具合悪くなって来ちゃった…。
ここで待っててもいいかな?」
雪音ちゃんが郁人くんに声をかけて、郁人くんが驚いたように頷く。
「全然いいよ。でも1人じゃ危ないから誰か…」
「有村くん、お願いしていい?」
上目遣いで茜くんを見つめる雪音ちゃん。
私は茜くんに声をかけるタイミングを逃して、郁人くんも驚いたように雪音ちゃんを見ている。
「……別にいいけど」
茜くんも、少し面食らって、それから、頷いた。