3秒後、きみと恋がはじまる。
お人好しなんかじゃないよ。
私の心の中の悪魔は、ちゃんと思ってるよ。
雪音ちゃんがあんなこと言わなければ、今頃茜くんと一緒に入られたのに、って。
怖いなら、なんで肝試しなんか来たの、って。
なんでクジ引いた後の茜くんを指名するの、って。
私だって、思ってるよ……。
「私の方が茜くんのこと大好きな自信があるのに、好きって気持ちが大きいだけじゃ、なんの意味もないんだよね……」
だって今頃、茜くんは雪音ちゃんと並んで座っていて。
2人はきっと、私には分からないような頭のいい話をしていて。
私は今日、「おはよう」「ああ」なんて一言ずつくらいしか茜くんと言葉を交わしてないけれど。
それでもふたりは数え切れないくらいの会話をしたんだろう。
可愛くて、頭も良くて、大人っぽくて。
そんなふうに、茜くんの好みそのままで。
そんな雪音ちゃんに、私が敵うわけないじゃないか……。