3秒後、きみと恋がはじまる。
プツン、と画面が真っ暗になって、電源が落ちる。
「え……充電切れ!?」
慌ててもう一度電源をつけようとするけれど、付かない。
鞄の中の充電器を探してから、そういえばさっきユリに貸してしまったことを思い出した。
「ど、どうしよう……」
京都で1人、迷子。スマホも充電切れ。
え、ちょっとやばくない?
慌ててみんなを探すけれど、無駄に歩き回ったせいでもう全く見覚えのない道に入り込んでしまったみたいだ。
そろそろ京都駅に戻らないと、みんな新幹線間に合わなくなっちゃう……!
何でふらふらお土産やさんに入っちゃったんだろう。何でちゃんと充電しておかなかったんだろう。
後悔したってどうしようもなくて、冷や汗が出てくる。
みんなに会えなくて、新幹線間に合わなくて、ひとりで京都に置き去りにされたらどうしよう……!