3秒後、きみと恋がはじまる。
「明日の茜くんの誕生日に会いに行って、告白する!」
「お、頑張れ!」
プレゼント、何がいいかなぁ。
形の残るものは、重いよね。
ケーキでも作ろうかな。
「ユリ、スミレ、ケーキの作り方教えて……」
「「了解!」」
2人にケーキの作り方を教えてもらって、頑張ってチョコレートケーキを焼いた。
卵の殻が入ってしまってやり直したり、うまく膨らまなくて作り直したり。
あまりに時間がかかってしまったので2人には帰ってもらって、やっと上手く出来た頃には日付を越えてしまっていた。
「もう茜くんの誕生日だ…」
おめでとうって、メッセージを送りたいとも思ったけれど。
でも、茜くんは私にこの日を誕生日だと教えたことすら忘れているだろう。
デタラメに教えた誕生日祝われたって、鬱陶しいだけかもしれない。
そう思うとメッセージを送ることはできなかった。
…プレゼントも迷惑かなって、思ったけれど。
でもせっかく頑張って作ったんだから、ケーキは渡したいな。