3秒後、きみと恋がはじまる。
茜くんの家には、本当にご両親は留守みたいで。
私の家の部屋を全部合わせたくらい大きなリビングに、ふかふかの黒いソファーや、電気屋さんでしか見たことがないような大きなテレビや、おしゃれな観葉植物なんかがあった。
あまりに豪華な部屋に落ち着かなくて、私はソファーに軽く座ってホットミルクを飲みながらドライヤーで髪を乾かす。
茜くんの家に、いる。
ハプニングのせいだけど、いる。
雨の中逃げ出した私を、傘も差さずに追いかけてくれた茜くん。
『助けるって、言っただろ』
そう言って、助けに来てくれた茜くん。
そして茜くんと私は、昔会ったことがあって。
今日会ったことを整理するけれど、色々ありすぎて頭が追いつかない。
……茜くん、私のこと、どう思っているんだろう。