3秒後、きみと恋がはじまる。



中に入っていたのは、やっぱり崩れてしまったチョコレートケーキ。
……我ながら汚いなぁ。




「ふーん」



一緒に入れておいたプラスチックのフォークをとって、茜くんは、ぐちゃぐちゃになってしまったチョコレートケーキをひとくち、口に運んだ。





「ええっ!?や、やめてよ、いいよこんなの食べなくて!」

「味は変わんねーだろ」

「そうだけど…」

「まあ、甘すぎるけど」




そう言いながらも、もうひとくち食べる茜くん。
何で、そんな、優しくしてくれるの…?



雪音ちゃんと、付き合ってるんじゃないの…?



「…で、誕生日祝ってくれないの?」


「へ…」




「俺の誕生日、今日なんだけど」





「え、っ」





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