3秒後、きみと恋がはじまる。


……それにしても彼氏になってからの茜くん、今までの100倍は格好良く見えるなぁ。


歩いてる姿も、お茶を飲んでる姿も、勉強している姿も、全部キラキラしていて眩しい……。




「桃ちゃん」


放課後、茜くんに見つからないように図書室で勉強する彼をドアの外から覗いていると。

後ろから、雪音ちゃんに声をかけられた。



「雪音ちゃん…」


「付き合ったんだってね、有村くんと」


「うん」


私がまっすぐに頷くと、雪音ちゃんは悔しそうに眉をひそめた。



「まあ、おめでとう。

…隙があったら奪っちゃうからね」


「ないから!大丈夫だから!」


「あ、そ」



そう言って雪音ちゃんは、スタスタと私を追い越して図書室に入り、茜くんの隣に座った。

難しそうな分厚い参考書を取り出した雪音ちゃんに、「やっぱり危ないのかも…」と少し焦る。


< 227 / 265 >

この作品をシェア

pagetop