3秒後、きみと恋がはじまる。
「や、やばい…」
放課後の、図書室。
文化祭の体育館発表のプログラムを打ち込んだプリントを、5枚1セットでまとめてホチキスで留めながら、ため息をつく。
茜くんが教室で勉強するって言うから、せっかくなら隣で作業したいと思って、「大人しくしてるから!」と子供みたいな頼み方をして隣に座らせてもらった。
今日は他の特進科の人たちはいないみたいで、私たち2人きりだ。
…いや、まあ、図書室には他にも人はいるけれど。
思っていた以上に忙しい文化祭実行委員に早くもめげそうになりながら、パチンパチンとホチキスで留めて行く。
と、机の上に置いていたスマホのバイブが震えて、画面を見ると郁人くんからの電話だった。
郁人くんとは、文化祭実行委員で同じ係になったので、よく連絡を取り合っている。
図書室では電話できないので、慌ててスマホを持って部屋を出た。